【解説】 子宮内膜症 はどんな病気? 卵巣嚢腫やチョコレート嚢胞との関係を知ろう!
こんにちは!アイです。
今回は体験談ブログから少し離れますが、 子宮内膜症 について詳しくお伝えする記事です。
↓↓↓こんな方に読んで欲しい↓↓↓
・子宮内膜症と診断された
・卵巣嚢腫と診断された
・チョコレート嚢胞と診断された
・生理が重くて婦人科受診を迷い中
・それぞれどんな病気か知りたい
皆さんの不安や悩みを解決するページになるよう、情報をお届けしていきます。
突然ですが…
私の病気は子宮内膜症であり、卵巣嚢腫であり、チョコレート嚢胞でもあります。「なんかいろんな病気してる!」と思われがちですが、3つそれぞれの病変があるということではないのです。どんな病変が、どこにできるのかによっていろいろな呼び方や名前がついているため、私の病気は3つの呼び方で表すことができるのです。
今回は、私が実際に産婦人科で診断された「子宮内膜症」「卵巣嚢腫」「チョコレート嚢胞」という3つの病名を正しく理解するために、それぞれの病名がどんな状態を指すのか整理していきます!
主治医の先生がわかりやすく説明してくださった内容を、読者の皆様にもシェアします。
診断までの経緯やこれまでの治療の様子については、【子宮内膜症治療記録】と題してまとめています。
入院や手術の様子についてもコツコツ記録中。
↓↓↓これまでの記事をチェック↓↓↓
【子宮内膜症治療記録】
①体調不良と産婦人科受診のキッカケ編
②産婦人科受診編
③術前検査編(初めてのMRI検査)
④入院アイテム、心と体の準備編
⑤手術前説明編( 腹腔鏡手術 )
⑥締め付けレスの快適ショーツ作成編
入院生活の様子はこちら↓↓↓
⑦入院1日目( 腹腔鏡手術 の準備)
⑧入院2日目( 腹腔鏡手術 当日)
⑨入院3日目( 腹腔鏡手術 翌日)
⑩入院4日目( 腹腔鏡手術 2日後)
⑪入院5日目( 腹腔鏡手術 3日後)
退院後の記事はこちら↓↓↓
子宮内膜症 について
今回ご紹介する3つの病名の関係性は最後にお伝えするとして、まずは「子宮内膜症」についてみていきましょう!
子宮内膜症 とは?
成人女性の10人に1人は罹患していると言われている「子宮内膜症」。
子宮内膜症とは、本来月経で体外に排出されるはずの子宮内膜組織の一部(経血をイメージしてもらえるとわかりやすいかも?)が子宮以外の臓器に転移してしまう病気です。
毎月、女性の子宮の中では子宮内膜を厚く成長させることで受精に備えて赤ちゃんを迎える準備をしています。そして、受精せず出番のなかった子宮内膜は月経の際に剥がれおちて膣から排出されます。これが皆さんご存知の「月経」と言われる現象ですが、この子宮内膜組織の一部が他の臓器に転移する病気が子宮内膜症です。
そしてなんとも厄介なことに、転移した子宮内膜組織は、子宮以外の臓器でも同じように周期リズムと共に成長し、どんどん大きくなってしまいます。
体の外に排出されずに、経血の塊がどんどん体の中で大きくなっていると考えると恐ろしいですよね…
子宮内膜症の転移先として多いのが卵管や卵巣、子宮と腹膜の間にあるダグラス窩などです。
子宮内膜症 の症状は?
代表的な症状には、生理痛の悪化や不妊が挙げられます。しかし、そもそも能動的に妊娠しようとしていない限り「不妊」を自覚することって難しいですよね。そうなると、「生理痛がひどい」という症状くらいでしか自覚することができない病気と言えるかもしれません。
とはいえ、生理痛は他人と比較するのが難しいため、自分の痛みが一般的な痛みよりも強いのか弱いのかを正しく知る術がありません。
毎月ものすごく生理痛がひどくて起き上がれないくらいしんどいけど、痛み止めの薬を飲んでどうにか過ごしている…という方はすぐに産婦人科を受診してほしいです。
あらゆるシーンで定期的な産婦人科受診が推奨されているのはこのためです。
組織が転移…?と言われてもなんだかピンとこない…
という方のためにイラストも描いてみました。
こんな感じです。
医学的にこの表現が100%正しいかわからないのですが、生理の経血が子宮以外のところでどんどん大きく成長してしまっているようなイメージ。
少し珍しいケースでは、肺に転移したりもするらしい。生理周期に合わせて息がだんだんと苦しくなっていくのは想像するだけでもしんどいです。
卵巣嚢腫について
それでは次に「卵巣嚢腫」(らんそうのうしゅ)について見ていきましょう。
卵巣嚢腫とは?
卵巣嚢腫とは、その名のとおり「卵巣に嚢腫ができた状態のこと」を指します。
少しでもわかりやすくお伝えするため、今回は先にイメージのイラストを見てみましょう。
どうでしょうか。
すこしイメージ湧きましたか?
子宮内膜症は転移する場所に関わらず「子宮内膜組織」という病変の成分にフォーカスした名前です。その一方で卵巣嚢腫は「卵巣」という発生場所に着目した名前です。
イラストを見て少し衝撃を受けた方もいるかもしれませんが、卵巣嚢腫は「え!!こんなものが入ってるの!?」と驚いてしまうような中身の嚢胞もあったりします。
(今回イラストに載せた3種以外にも様々な嚢腫があります)
本来であれば、人間の体を形作るはずだった組織が、嚢胞のなかでどんどん成長してしまうケースがあるのです。この場合、嚢腫の中身には髪・爪・歯・脂肪などの組織ががぎっしり詰まっていることもあるようです。
個人的には結構衝撃的でした…
卵巣嚢腫はどんな症状?
卵巣嚢腫についても、嚢胞が大きくなるまでこれといった自覚症状がないのが特徴です。
嚢胞のサイズがどんどん大きくなってくると腹痛・腰痛・生理痛の悪化・下腹部痛・性交痛などが見られます。しかし、この場合も「まぁ、痛み止めの薬でなんとかごまかそう…」と早期受診に至らないケースがあり、発見したときには手術マスト!!な状態になっていることも多いらしいです。
チョコレート嚢胞について
最後に、チョコレート嚢胞について見ていきます。
チョコレート嚢胞とは?
図をご覧いただくとわかるとおり、
「子宮内膜症かつ卵巣嚢腫=チョコレート嚢胞」と呼ばれます。
子宮内膜症が卵巣で発生し、成長して嚢胞になった状態のことです。ご想像のとおり、この場合の嚢胞の中身は古い血液(子宮内膜組織)ですので、深い茶色をしていることから「チョコレート嚢胞」と名付けられています。
私の病気は、この「チョコレート嚢胞」だったわけですが、診断書に記載されていた正式な病名は「卵巣嚢腫」でした。チョコレート嚢胞という名前は広く浸透しつつも、正式な病名ではなく、あくまでもわかりやすく表現するための名前なのでしょうか。
(これに関しては謎ですスミマセン!)
術後、主治医の先生から手術の内視鏡で撮った病変の写真を見せてもらったのですが、本当にチョコレートのような見た目でした。
確かに、色とか質感とか
似てるっちゃ似てるけど…
このネーミングはかなり勇気いるよなぁ…
どのくらいの大きさから手術?
そして、チョコレート嚢胞と診断された場合、どのくらいのサイズから手術を検討し始めるのかということは皆さん気になると思います。しかし、患者の体調・体力・卵巣嚢腫以外の病気・妊娠の状況・投薬の状況・ライプフランなどによって判断は変わるので明確な線引きはないとのこと。
色々なサイトやブログを調べる限りでは、直径2〜4cm程度ならホルモン治療で一旦様子をみつつ、5〜6cm以上の場合は手術を検討するケースが多いように感じます。
もちろん医師の意見によっても違うのでセカンドオピニオンものすごく大切ですね。病状について理解した上で、納得できる治療法を選んでいくことが大切であり、何よりも難しかったりします。
チョコレート嚢胞の治療は?
さきほども少し触れたように、サイズが大きい場合は手術で取り除くことが望ましいケースもあります。
手術をするしないに関わらず、ホルモン治療(ピル服薬)で子宮内膜症の予防や再発防止が期待できます。ピルが効果的である理由は、子宮内膜組織が生理周期に合わせてどんどん育ってしまうのを抑制できるからです。
では、チョコレート嚢胞における術前術後のホルモン治療はどんな意味があるのでしょうか。
◆手術前のホルモン治療◆
既にできてしまった嚢胞の成長を止める目的で服用。嚢胞が月経周期に合わせてどんどん大きくなり、体内で捻転したり破裂したりするのを防止する。
◆手術後のホルモン治療◆
子宮内膜症の再発防止目的で継続的に服用する。(妊活時、産前産後、閉経後は除く)
私は今まさに、手術後のホルモン治療中で辛いことも多い毎日ですが、どうにか向き合っていく方法を模索中です。
これからもホルモン治療の経過や術後の様子を綴っていきます!
まとめ
それでは、今回の記事のまとめです!
簡潔にまとめると以下のようになります。
◆子宮内膜症◆
子宮内膜の一部が子宮以外の臓器へ
転移して徐々に大きくなっていく病気
◆卵巣嚢腫◆
卵巣に袋状の嚢胞ができる病気
(嚢胞の中身を問わない総称)
◆チョコレート嚢胞◆
子宮内膜症が卵巣に発生し嚢胞になったものを指す
私が今回罹患した病気が、「子宮内膜症であり、卵巣嚢腫であり、チョコレート嚢胞とも呼ばれている」理由がおわかりいただけたでしょうか。
図で示した黄色の部分に当てはまっていたということです。
皆さんの疑問が少しでも解消されていれば嬉しいです!
そしてそして、何度もこのブログでお伝えしていますが、少しでも婦人科系のお悩みがある方はすぐに受診することをオススメします!
実際に私自身は、婦人科の検査オプションをフルコースで実施した人間ドックで異常なし→その半年後には既に手遅れで手術以外の選択肢がなくなっていました。
これを読んでいる皆さんが病気を早期発見できること、予防できること、最善の治療を選択できることを心から願っています!
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次の投稿もお楽しみに!